サザンオールスターズ

DISCOGRAPHY

サザンオールスターズ

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綺麗


1983.07.05RELEASE

自らのレーベル“TAISHITA”設立後の第一弾だが、守勢に入らず更なる冒険が待ち受けていた。シンセが重要な「マチルダBABY」からスタートするが、デジタルと生音の融合が大命題だった時期の、サザンオールスターズからの回答が本アルバムとも言えた。カラフルでダンサブル、これまで以上のアイデアが詰まった作品が目立ち、「赤い炎の女」にはジプシー音楽的エキゾチズムが漂い、「MICO」はサザン流のファンカラティーナと呼べた。「星降る夜のHARLOT」には、レゲエから派生したダブ・サウンドが取り入れられ、ファンクから出発してアフリカへ帰還するかのような「ALLSTARS’ JUNGO(Instrumental)」も、刺激に満ちていた。戦前の日本で流行した中国風メロディ・ラインの“大陸歌謡”を彷彿させる「かしの樹の下で」は、まさにデジタルと生音の理想的な融合だろう。60年代のGS歌謡をお手本にした「そんなヒロシに騙されて」も人気曲となる。当時の音色を再現するため、わざわざビンテージ機材がスタジオに揃えられたのだ。桑田の曲作りの進展という意味で重要なのは「EMANON」。演奏も洗練されたものだったが、歌詞に描かれる恋模様もそう。登場人物の心理描写や場面転換が、まるでドラマの脚本であるかのように練られていた。

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1983.07.05RELEASE

自らのレーベル“TAISHITA”設立後の第一弾だが、守勢に入らず更なる冒険が待ち受けていた。シンセが重要な「マチルダBABY」からスタートするが、デジタルと生音の融合が大命題だった時期の、サザンオールスターズからの回答が本アルバムとも言えた。カラフルでダンサブル、これまで以上のアイデアが詰まった作品が目立ち、「赤い炎の女」にはジプシー音楽的エキゾチズムが漂い、「MICO」はサザン流のファンカラティーナと呼べた。「星降る夜のHARLOT」には、レゲエから派生したダブ・サウンドが取り入れられ、ファンクから出発してアフリカへ帰還するかのような「ALLSTARS’ JUNGO(Instrumental)」も、刺激に満ちていた。戦前の日本で流行した中国風メロディ・ラインの“大陸歌謡”を彷彿させる「かしの樹の下で」は、まさにデジタルと生音の理想的な融合だろう。60年代のGS歌謡をお手本にした「そんなヒロシに騙されて」も人気曲となる。当時の音色を再現するため、わざわざビンテージ機材がスタジオに揃えられたのだ。桑田の曲作りの進展という意味で重要なのは「EMANON」。演奏も洗練されたものだったが、歌詞に描かれる恋模様もそう。登場人物の心理描写や場面転換が、まるでドラマの脚本であるかのように練られていた。