SOUTHERN TIMES

サザン・タイムズ

FEATURE

原 由子

20人の書き手が筆を取り、原 由子がメインボーカルを務めた楽曲やミュージシャン原 由子について語る特別企画。
原 由子の45年のキャリアを様々な角度から徹底解剖!

個性としなやかさを持ち合わせた歌声で歌い続ける文=小林千絵

どんな声にもぴたりとハマる、しなやかさを持った原 由子の歌声。2007年にリリースされた風味堂とのコラボユニット“ハラフウミ”の「夢を誓った木の下で」では、シンプルなメロディと普遍的なメッセージを、渡 和久の包み込むような声の輪郭に優しく寄り添うようにしながら歌う。一方、翌年にリリースされたサザンオールスターズのシングル『I AM YOUR SINGER』収録の原作詞・作曲によるボーカル曲「すけっちぶっく」では、ピアニストらしい独特なメロディラインで、変わりゆく自身や憂いを文学的に歌い上げる。ともすれば難解なメロディラインを違和感なく成り立たせてしまえるのは、原の歌声が迷いなくまっすぐに伸びるからだろう。文学的な歌詞を小難しく聴かせないのは原の声の持つ普遍性がゆえ。日本人のDNAに刻まれていると言っても過言ではない彼女の歌声は、時に幼さに、時に母性に、時に艶やかにと、印象を変える。個性がありながらも、どのような情景にもどのような感情にもどのような声にもぴたりとハマる奇跡の歌声だからこそ、キャリアと共に歳を重ねた今も、様々な楽曲を歌い続けられるのだろう。次はどんな曲を届けてくれるのか、いつまでも楽しみにしてしまう。

夢を誓った木の下で